Lippia Music Room のコラムをご覧の皆様、あけましておめでとうございます!
このところ、公私共にいろいろと活動エリアが増えているために、こちらのコラムの更新が少なくなっておりますが、検索などでたくさんの方にお越しいただいているようです。ありがとうございます(^^)
本年も、更新頻度はさほど高くなくとも、記事の一つ一つはお役に立つような有益なコラムにしていきたいなと思います。よろしくお付き合いくださいませ(^^)/
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新年は恒例の家族での初弾きを楽しみました。‥とはいえ、夫は楽器をやらないので、息子と私の二人でのセッションです。
ショパンのノクターンから、カーペンターズ、映画音楽、Jazz など片っ端からやりたい音楽を演奏して楽しみました^^
息子は現在大学の研究室にこもりっ放し&マンション生活のため、楽器を手元に置いておくことができなくなり、久し振りの愛器との再会。
「やべー 全然音が出ねぇ‥(汗)」と焦っていました(;^_^A
「○小節目のところからもう1回やろっか!」
「ちょ‥、今のところもう少しやりたい」
「年末のジルベスター、観た?」
「観た観た。あのエンディング、かなり引っ張っとったな~w」
なんて会話をしながら、お互いにいろいろとこだわりもあって、いつの間にか4時間が経っていました。でも全然苦にならず、楽しくて楽しくて!気がついたら、夫も部屋に入っていて、後ろで楽しそうに聴いていました。
やっぱり音楽っていいなぁ‥としみじみ(^^♪
息子が小さい頃には、いくつものハードルを乗り越えること度々ありましたが、今となっては諦めずに続けさせて本当によかったと思います。
練習が苦になっている生徒さんにも、「音楽を創っていく」という作業を楽しめるようになって欲しいなぁと思います。
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今年のレッスンは11日からスタート。新規の入会もスタートしますので、ご関心のある方はこのWebサイトの指導方針などをよくご確認の上、体験レッスンよりお申込みください。
本年もどうぞよろしくお願いいたします(^_^)/
先日、発表会を無事終えることができました。出演した生徒の皆さん、お疲れさまでした\(^o^)/
発表会デビューした人、もう数回目っていう人、そろそろベテランの域に入ってきたお姉さんたち… みんなそれぞれの精一杯を、ステージで披露してくれました。
感想はどうだったかな?
おうちの方や、おじいちゃん・おばあちゃん、お友だち…皆さんからはどんな感想をいただいたでしょうか。
「緊張した~!」
「弾き始めたら結構大丈夫だった!」
「最初はイヤだったけど、今はまた弾きたい!」
等々、みんなよい感触だったようです(^^)
特に低学年さんやそのご家庭の方々からは、「プログラムの後半のお姉さんたちがすごかったです~!」というご感想をいただきました。(ありがとうございます!)
大きくなったら、あの曲が弾きたいな…!
うちの子もいつか、あんな曲が弾けるようになるのかしら…?
そんな声が聞こえていました。
お姉さんたちは皆、小学生の頃に基礎基本をしっかり学び、毎日コツコツを積み重ねてきた人ばかりです。
レッスンで出される課題は、決して難しいことは出していませんが、それだけに、「そんなに難しくないからあとでまとめてやっちゃえばいいや~」と後回しにし、結局レッスン間際になって慌てて “やっつけ仕事” のようなことをしている人は、決して基礎基本は身に着いていません。
身に着かないまま、下手にテキストだけが進んでしまうと、譜読みもままならず、指は思うように動かず、やがて「勉強が大変になったから」「部活が忙しくなったから」という理由のもとに、ピアノを挫折する…という構図になっていく人は少なくないんですね。
中高生からは、確かに勉強と部活が大切!
ここからは、私も「毎日練習しなさい」とは言わなくなります。「忙しいときは練習できなくてもいいし、上手に時間を見つけて集中して曲を形にしておいで」「週に一度、息抜きのつもりで来たらいいよ」と話しています。
これが言えるのは、「限られた時間内で効率のよい練習方法を小学生のあいだに徹底的に叩き込んでいるからこそ」という確信があるからなんです。言い換えれば、私は小学生のあいだは厳しい先生なのですが、学年が上がるごとにやさしくなっていきます(笑)
(その代わり、弾けても弾けなくても、それは本人の責任にしますから、見方を変えればある意味これも厳しいんですけどね^^; )
その証拠に、在籍している中高生には、成績は上位キープ、部活ではキャプテンや部長、塾も行ってます…と、主体的にやっている子たちがほとんど。ピアノも両立できています。
あれもこれも本当にできるものなの?と驚かれる親御さんも多いのですが、時間のつくり方、効率のよい事務処理能力と気持ちの切り替えといったスキルを、レッスンの中で身に着けているから可能になっているんですね。
プログラム後半で演奏された大曲は、そのようにして完成されています。
小学生の生徒の皆さんも、いつか自分が「あのお姉さん(お兄さん)みたいに弾きたいな!」って思ってもらえるような、憧れの人にぜひなってくださいね。そのなり方はしっかり伝授しますので(^_-)-☆
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というわけで新学期も始まり、心機一転、また新たな目標へ向けてレッスンがスタートしています。発表会後は少しのんびりしつつも、がんばっていきましょう\(^o^)/
「春からどうするか、考えておいてね」
数か月前、そう伝えておいた高校2年生のRちゃん。中学受験や高校受験の場合は、数か月お休みしたあとは復帰…という子が多いのですが、大学生になると県外へ出る子も多く、通常、ほとんどの生徒は大学受験を機に、うちの教室を卒業することが多いのです。
先日、「今月で卒業…しよっかなーって…」と、ポツリと言いました。
おお… そうなのか、そうなのね…!と、わかってはいるものの、この瞬間って何年やっていても慣れませんね、寂しさが急に押し寄せてきました。でもここはドライに(笑)
「今度のレッスンには、母も挨拶に来ると言っていますので」とRちゃん。
次のレッスンにはお母さんもいらしてくださり、少しお話しました。Rちゃん母子は、気ごころの知れた友人のような、時には姉妹のような、仲の良い母子なのが伝わってきていました。お母さんが連絡事項があるときに送ってくださるメールも、私への敬意のこもった、メールマナーをわきまえたとても丁寧なメールで、お人柄がうかがえるような方なんです。
この日のレッスンは、連弾の練習でした。Rちゃんがプリモで、私がセコンド。
チック・コリアの「スペイン」という曲で、私の大好きな曲でもあります。ラテンのリズム特有の、裏拍にある気怠さ、泥臭さ、物悲しさ…といった目に見えない“行間” を伝えるのって、なかなか難しい。
でも、私の息づかいを感じ取りながら、懸命についてくるRちゃんの成長ぶりが嬉しくて。
別に弾いている曲も、何度も格闘しているのでしょう、楽譜のページがちょうどめくれるあたりで破れています。私の楽譜にも同じように破れてしまうページがいくつもあって、ああ、こういうところまで似てしまうのねぇ^^; と苦笑い。
「あと残り数回、楽しくやろうね!」といってこの日のレッスンは終了。
挨拶をして退室したかと思いきや、ドアのところで何やらRちゃんと誰かの声。「せんせーい!あのー…」呼ばれて行ってみると、Rちゃんのおばあちゃんがいました。
あら!さっきはお母さんで、今度はおばあちゃんまで!!
おばあちゃんは、Rちゃんがうちへ習いに来たことでピアノが益々好きになったこと、教室を卒業することを決めたとき、泣きながら両親へ報告していたこと、とても感謝している…といったことを話してくださり、もう泣きそうでした。(少し泣きましたw)
私が伝えたいのは、自分と向き合い、自分に嘘をつかないこと、ごまかさないこと。そのような心構えを持っていれば、ピアノは誰にでも弾けるようになります。いえ、ピアノだけでなく、いろいろなことを乗り越えられるようになります。Rちゃんは既にその心構えを持っていましたから、レッスンで教えることは簡単でした。スポンジのようにスゥ―ッと吸収していったのです。
次々といろいろな曲を渡してきましたが、そのたびに自分の限界を突破して、自分の世界を音楽へ投影し楽しそうに弾いている姿を見て、「この子は本当に音楽が好きなんだなぁ」嬉しく思ったものです。
放任もせず、過保護にもせず、ちょうどよい距離感で彼女を見守り続けた、ご家庭の子育ての賜物だと思います。ピアノを長く続けられる子というのは、本当に不思議なくらい、ご家庭の姿勢に共通するもの(click or Tap!)があります。
Rちゃんは既に志望校を決め、勉強もがんばっているようで、良い評価も出ているようです。彼女も、先のEちゃん同様、きっと自分の決めた道を進むに違いありません。それだけの力を、Rちゃんはピアノを通じて身に着けましたから!
「先生に会いに行ってもいいですか?」数か月前に届いていた嬉しいメール。大学受験を機に、うちの教室を卒業した生徒からです^^
彼女はすでに、推薦で国立大学の合格を手にしていたのですが、同級生のみんながセンター試験や前期試験のためにがんばっているあいだは、ウキウキ気分でうちへ遊びに来させるのは違うかな‥と思い、前期試験が終わってからにしようね、と伝えていました。
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もう時効なのでいいかな…と思いますが(本人のOKも貰いました)、ちょっと今回のケース、とても大切なことだと思うので、長くなりますが、ご紹介させてください。
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彼女Eちゃんが初めてやってきたのは、幼稚園の年長さん。
うちへ入会するまでに、すでにいくつかの教室を回ったそうです。とにかくお母さんの“抱っこ” から離れようとせず、お母さんが下ろそうとすると、コアラのようによじ登って、床に足をつけようとしません。
無理やり下ろすと、今度はピアノの下に潜り込んで、とにかくピアノの椅子に座ろうとしないのです。貝の中へ閉じこもっているかのようでした。
それでも、母子で何かを感じたのでしょうか、うちへ入会をすると申し込まれたのです。私は、このEちゃんをどうしようか…正直、途方にくれました。
何週間も何週間も、レッスンへ来てもお母さんから離れません。仕方ないので、お母さんの同伴を認めて入室してもらいました。(うちでは、生徒の自立を促すために、レッスンの同伴を認めていませんが、アポなしでいつでも何回でも参観はしていいことにしています)でも、レッスンにならずに帰らせるときもありました。
3か月ほど経った頃、決意しました。
「お母さん。もう今度から付き添わないで、Eちゃんだけを入室させてください」
母子離れができていないため、お母さんは困惑したと思いますが、私のキッパリとした雰囲気に圧倒されたのか、家でよくよく話し合いをして、翌週Eちゃん母子はやってきました。
玄関でお母さんとバイバイをしたEちゃん。観念したようで、なんとアッサリお部屋へ入ってきて、そのままピアノの椅子に座ったんです!その日、何の問題もなく、アッサリとレッスンができたのでした。
私は「やっぱり…!」確信しました。
いつまでもお母さんから離れられないと思っていたEちゃん。じつは、離れられなかったのは、Eちゃんではなく、お母さんだったのです。
心配のあまり…という気持ち、「わが子にはこうなってほしい」という願い、母親の愛情やエゴが綯交ぜ(ないまぜ)となり、Eちゃんをがんじがらめにしている。そう思いました。小さなEちゃんは、自覚はないもののそのことを心と体で感じ取り、不安定になっていたのです。
Eちゃんがすっかり落ち着いた頃、お母さんのレッスン参観を許可しました。
お母さんは入室できなくてずっと心配だったのでしょう。Eちゃんが少しでも間違えそうになると、レッスン中にも関わらず、「Eちゃーん、そこは違うよ~」と後ろから声をかけるのです。これは完全にNG。レッスン中に指摘を入れるかどうかの判断は先生の仕事であって、お母さんがすることではありません。
その後も、合格しないのはどうしてか?と質問してくる、レッスンでどんなことをしたのか記録をとってほしいとノートを持ってくる(貴重な30分間のレッスン時間がノートを書く分減ってしまい、指導計画がズレてしまう)、家での様子を報告してきては、テキストはこれを使ってほしい、自分で集めた別の先生の指導方法を導入してほしいとリクエストしてくる、そこまで熱心なわりには発表会をはじめとする教室の行事に参加しない…等々。
おおよそ、ピアノの先生や教室に対してやってはいけないマナー違反をことごとくされ、ほとほと困りました。ピアノ教師はさまざまに指導法の勉強をし、よいと思うものを選択しています。すべてに理由があってしていることなのです。ピアノの経験のある親御さんほどやりがちなNGなので、ぜひ気をつけてみてください^^;
お母さんが先生を信頼していないうちは、子どもも先生を信頼しません。
Eちゃんはレッスンで習ったことよりも、お母さんが集めた情報下の指示で練習している様子が見受けられ、まったく指導が進みませんでした。
私が初めて、廃業を考えるまで悩んだ生徒です。円形脱毛症にまでなりました。
やんわり、ときにはキッパリと、私の考えも辛抱強く伝えながら、少しずつお母さんに習い事をさせる際の心構えをお伝えしました。それと比例するかのように、Eちゃんのピアノもよくなっていったのです。
「子は親の鏡とはよく言ったものだな…」と痛感しました。
私自身も過保護タイプの母親なので、自分の子育てを振り返る機会となったように思います。
結局、Eちゃんは中学生になった頃から、お母さんの呪縛(?)から上手に距離をとれるようになり、自分の夢を見つけ、レッスンの合い間には時折、自分の中で大切にしている想いを打ち明けてくれるようになり、私との関係も見違えるほど融和していきました。ピアノも、学校の合唱コンクールの伴奏者に選ばれるまでに成長しました。
そんな様子を見て、もうお母さんもレッスンに介入することはなくなり、Eちゃんを見守れるようになったのでした。
私たちの世界では、教師のほうから退会通告をするのはご法度…という雰囲気があります。
どんな子でも、縁あって門を叩いて来てくれた子なら受け入れ、その子に合った指導法の引き出しを広く持つのが、ピアノ教師の務め。
そうはわかっていても、何度匙を投げようとしたかしれません。
そんな中で、いろいろあったEちゃんとの十数年間を振り返り、匙を投げなくてよかった…と心の底から思います。
「子育ては自分育て」といいますが、「生徒育ても自分育て」だなと、私はEちゃんから教わった気がします。
感情を出さず、ずっと自分の殻に閉じこもっていたEちゃんが、私に会いに来てくれるまでに主体的になった。道半ばでピアノを辞めるのは“挫折” 。音楽的自立ができるようになった時点で、ピアノは “卒業” です。心を込めて描いてくれたピアノの絵は、私の宝物になりました。
今日は高校の卒業式。これから大学生活という新しい希望に満ち溢れた世界へ飛び出すEちゃん。素晴らしい人生を送って欲しいと思います。その傍らに、いつも音楽があなたを慰め、励ましてくれることを忘れないでいてくださいね。
卒業、おめでとう!
毎日継続するーーーわかってはいるけど、出来ないんですよねー!という声が聞こえてきそうですが、もう少しお話してみます。
記憶や暗記のお話とつながります。勉強にも役立つお話です。
知人で、一発で司法試験に合格して弁護士になった人がいます。司法試験では、とにかく覚えることが膨大にあり、六法全書を食べてしまうほどの勢いが必要なのだそうです。(ドラえもんの暗記パンか!笑)
この弁護士さんに、暗記のコツを教えてもらったことがあるんです。
① 初めてインプットする。
② 声に出しながら/手足のどこかを動かしながら/何かの景色とセットで覚える
…など、関連づけると覚えやすい。
私の場合は、「書く」とよく覚えられます。
声に出すと覚えられる人、逆に黙読じゃないと入ってこない人、タイプは分かれます。
(タイプについては、また後日)
ピアノなら、手を動かすし音を耳で聴くし、体のいろんな部位を使うのでぴったり☆
③ ①②を終えて、数時間後、その日のうちに覚えたものをもう一度見直す。
④ 翌日、もう一度見直す。
⑤ 1週間後、もう一度見直す。
⑥ 必要のあるたび、覚えているかチェックする。
忘れていたら、①へ戻る。
人間というのは本来、忘れる生きものなんだそうです。全部を覚えていると、脳がパンクして死んでしまうらしいです。生きものの本能として、忘れるように作られているんですね。
忘れてしまうプロセスについては、「エビングハウスの忘却曲線」というものがありますので、リンクをぜひご覧ください。そりゃもう、見事に数十分後には50%近くを忘れてしまっていますよ、人間って(笑)
なので、①の時、人間は、脳の中の「忘れてもよい記憶の引き出し」へとりあえず入れるんだそうです。ところが、③>④>⑤ と何度も同じことを繰り返していると、脳が「これだけ何度も出てくるということは、これは大切な項目なんだな」と判断し、「忘れてはいけない記憶の引き出し」へ移し替えるんだそうです。
そして、この判断したり移し替えたり、脳の中で整理している時間帯が睡眠の時間帯なのですって。夜寝て、また別の日に覚える、また寝る、…ということを繰り返さないと、脳は覚えたことを定着させることができないそうです。
というわけで、私がレッスンで出している宿題はいつも復習型です。予習型は滅多に出しません。(力のついた子から、予習型に切り替えています)忘れないでキープすること、定着できることを目的に、曲の数や難度を考えて配分していますので、レッスン日直前になって「やっべー!宿題まだしてない!」といって一気に全部やってしまうのはNG。その場限りではクリアできたとしても、全然力がついていないんですね。
ワークブックを数ページ宿題に出すときもあるのですが、これも簡単だからといって一日で全部やってしまわないよう、毎日1ページずつやってねと伝えています。
ちなみにこの考え方で、塾も選ぶといいですよ。自分のお子さんの現状を見て、復習型の授業をする塾か、予習型なのか、はたまた個別に合わせてくれるのか。
予習型の塾へ通っている人は、学校の授業が復習‥ということになりますね。ですから、「これ、もう塾で習ったもん」といって学校の授業をマジメに聞いていない子は、復習していないので、定着が悪くなります。気をつけてみてくださいね。
また、テストの答案が返された時に、「間違い直し」をすると良いというのも、この考え方が当てはまります。どこを間違えたのか復習しているというわけです。よく「同じ問題が再度テストに出るなんてことはほぼないんだから、終わったことを見返しても意味がない」と思って間違い直しをしない人がいますが、これは随分もったいないことをしているんです。
ピアノを長く続けている生徒には学業優秀な子が多いというのが最近の定説になっていますが、うちに通う生徒たちを見ていても、当たっているかも知れないなと思います。大半はこの「復習型」に時間を割いてきた子が多いです。キッチリ基礎固めをしているので、未知のことへ挑戦する「予習型」へ移行する時も、すんなり進んでいます。
音楽と言う国の言語を習っているわけですから、毎日コツコツと定着していきましょう。面倒くさいようでいて、コレが一番、楽で確実にモノに出来る方法だと思います(^^)/
前回のコラム更新から、いつの間にか季節は秋へ…ご無沙汰してスミマセン<(_ _)>
ここをご覧の皆さんにお伝えしてみたいなと思うこと、写真などは撮りためているのですが、日々の雑多に追われ、ついつい…^^; またボチボチと徒然つぶやきたいと思います。
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「なかなか音符が読めません」「リズムがわからないみたいで…」当教室へのお悩み相談のNo.1 はコレです。教室生だけでなく、よそで習っていらっしゃるお母さんからも相談のメールが舞い込むことが少なくありません。そこで、親はどのように捉えておくとよいのか、少し説明してみたいと思います。
音符というのはいわば、言語と同じと思ってください。日本にとってのひらがなやカタカナ、欧米にとってのアルファベット、韓国にとってのハングル…といった感じで、音符は音楽という国の言葉です。
ここで、皆さんが日本語を普通に使えるようになるまでの経緯を思い起こしてみましょう。
赤ちゃんのうちはしゃべれません。でも、お母さんやお父さんを始め、自分を取り巻くありとあらゆる環境で日本語に囲まれていくうちに、喃語(なんご/赤ちゃん言葉)から少しずつ、日本語を理解しますよね。やがて、2~3歳あたりから会話も成立し始め、意思の疎通もとれるようになったと思います。でもまだこの時、文字は読めていない子がほとんどです。
早い子で幼稚園くらいから、硬筆や公文などの教室で文字を習い始めたり、上の兄弟やお友達のするのを真似て遊びでお手紙を書いたり…などをきっかけとして、文字の「読み書き」が始まります。義務教育として、小学校1年生からは全員がひらがなから文字の「読み書き」を行います。ここから次第に、カタカナや漢字を習ったり、自分でも本を読んだりしながら、難しい言い回しや語彙が増え、自身の言語力が養われていきます。
日本人に非識字率(文字が読めないこと)が低いのは、こうして義務教育の中で国語として教育を受け、毎日のように日本語に接しているからです。江戸時代など昔は、会話はできても文字の読めない人はたくさんいましたし、教育が整備されていない国では今も識字率は低いままです。
音符やリズムもこれと同じで、「読めない」というのは非常に由々しきこと(そのまま放置しておくと後で問題が大きくなり見過ごすことができない)なんですね。
ひらがなが読めないと、漫画や絵本が読めないので楽しくありませんよね。同じように、音符が読めないと、自分の弾きたい曲が載っている楽譜を見つけても、どう読めばいいかわからず、弾けないので、楽しくありません。習い始めは簡単で短い曲なので、耳で覚えて雰囲気でなんとなく弾けますが、だんだん難度が上がり何ページもある曲になるにつれ、覚えきれずに行き詰ってしまう子がいます。
こうした子の駆け込み寺のようになっているのが当教室なのですが、言語領域(音符を含む)を習得するのにふさわしい年齢というのが、年長~小学校低学年あたりで、これを過ぎると定着しにくいといわれています(※)。耳で覚えたり、音符の上に読みがなを振ってそこだけを読んで弾く癖がついてしまった子は、なかなか癖が取れず、苦労しています。癖を抜くための地道な手順を踏むことに我慢ができず、元のやり方へ戻ってしまったり、我流でやってしまおうとしたりして、回り道になって辞めてしまうケースもあります。
※中学年以上で初めて習う子については、悪癖がついていないのであまり心配はありません。
ではどうすればいいか?ということですが、言葉を習得したときと同じように、やはり音符も毎日のように接していると、それだけ早く習得できるようになります。そして、習い始めの3年間が大切です。ここで毎日接する習慣がつかないと、後が苦しくなります。
相談なさる親御さんに、ご家庭での練習状況をお尋ねすると、ほぼどの方も「毎日はしていません」とのこと。人間、誰でも聖人君子ではありませんし、諸事情もあるでしょうから、私も全員100%の子が毎日やれるとは本当は思っていないのですが、せめて、一週間のうち練習していない日より、練習した日の方が多い という過ごし方をして欲しいなと思っています。
当教室では、その接し方のコツとして、ソルフェージュの手法を取り入れながら、無理なく簡単に、且つ、合理的に早く習得できる手順を指導しています。
簡単すぎるので、チャチャッといい加減に済ませちゃう子、我流でやっつけてしまおうとする子がいる場合もあって、これは回り道をしていることになるので、気をつけてくださいね。まずは「簡単なことをていねいに」にこだわってレッスンしています。
ちなみに、英語を習わせるご家庭も多いと思いますが、コチラも毎日英語に接していれば、習得できるそうです。以前にも書いたことがありますが、英会話教室を主宰している友人も、自分の子どもはバイリンガルなのですが、毎日2時間程度は「英語だけで会話をする時間」を設けてキープしているそうです。そうしないと、忘れるそうです。帰国子女たちも同じことを言っていました。
言い換えれば、英語もまた、週に一度教室へ通わせたからといって、家で何もしなければ、我が子が英語ペラペラになってくれるわけではない…ということなんですね^^;
とはいえ、大人になっても毎日のように日本語を勉強しているかといえば、私たちはそんなことをしなくてもちゃんと日本語は使えているわけで、ピアノも同じで、習得しさえすれば、毎日ピアノに向かわなくても読譜はできるようになります。親御さんには「ある一定期間だけだと割り切って、毎日しっかりピアノと楽譜に向かわせる」という気概を持って、ピアノ教室へ通わせるのが得策だと思っていただけると、習わせる甲斐があるのではと思います。(つづく)
現在も数人在籍中なのですが、このところ孫弟子が増えてきました。独身の頃に教えていた子の中には、地元で結婚している場合も少なくないのですが、生まれた子ども達がお稽古事を始める年齢になってきたらしく。
先日も、「子ども達や主人を紹介したいです」と言って、家族総出で会いに来てくれました。ステキな家族の様子に、彼女らしい人生の選択をしたんだなぁって、なんだかじーんとしちゃって。辞めて十数年経ってからもこうして訪ねてきてくれるなんて、教師冥利につきます。
「皆で写真撮ろう!」ということになった時、いつのまにかピタ☆って引っ付いてきた娘ちゃん。あらら、体験レッスンを受けている間中、ずっと恥ずかしそうにしていたのに、気に入ってくれてたのかな!キリッとした眼差しで、どうやらママに似て芯のある強い子のようです。^^
年を取るっていいものだなぁって思えたひとときでした(^^)/
このところポロポロと新規入会や体験レッスンのお問合せが増えてまいりました。
ありがたいことに、現在 当教室はほぼ満席の状態となっていまして、あと2~3名の方が受け入れ可能となっています。ご興味をお持ちの方、お知り合いを誘おうとお考えの方は、お早目にご連絡ください。
なお、在籍生徒の兄弟姉妹が入会希望された場合は優先的にお入りいただきますことをご了承ください<(_ _)>
「何年やっても音符やリズムが読めなかったのが、この教室へ変わってから譜読みが早くなった」
「椅子の座り方から指導され、細かいところまで丁寧にレッスンしてくれる」
「子どもに落ち着きが出てきた」
「怒ると厳しくてコワイ先生だけど、がんばった時にはしっかり褒めてくれる」
「大きくなってもずっと音楽を楽しめるスキルが身についた」
そんな評価をいただいています。
入会の可否とは別に、体験レッスンだけでも…という方もお気兼ねなくお申込みくださいね。
https://lippia-musicroom.jimdo.com/体験レッスン-入会申込/
こちらのページをこまめにチェックいただいている方には既にお気づきの人もいらっしゃるかと思いますが、コンテンツに新たに「ダウンロード」のページを作りました。
先日ご紹介した『おうちの時間割』『ピアノ練習帖』に加え、以前からかなりの数をダウンロードいただいていた『ピアノ用お手玉』の3つをひとつのページにまとめ、無料ダウンロードできるようにしています。
ありがたいことに『おうちの時間割』の評判がよく、たくさんの方からメッセージをいただきました。許可をいただいて、ご紹介させていただきます(^^)/
・こういうのを作ろう作ろうと思いつつ出来ていなかったので、助かりました!
・書き込む時点で、これまでの振り返りが出来たことが大きな収穫でした。思っていた以上に勿体ない時間の使い方をしていたことが、むしろ親の私が自覚でき、子どもを叱るだけじゃ、そりゃあ子どもは動かないはずだと反省です。今のところ子どももやる気なので、しっかり活用させていただきます。
・3児の母です。子ども達の分だけでなく、自分用にもダウンロードしました。夕方は3人の子ども達の習い事の送迎で家を出たり入ったりで大忙しなので、自分用に一週間の時間割を立てることで、かなり頭の中が整理できました。子どもの分、自分の分を1か月分印刷して、各自カレンダーのようにしてみました。
これまで我が家で活用はしていたものの、各ご家庭の時間管理にまで口を出すようで抵抗があったので、一度もご紹介したことはなかったのですが、もしも役に立つなら…との思いで公開したところ、思いのほか好意的なメッセージを頂けて嬉しいです。当教室生の中には「自分には合わなかった」という子もいましたので、あくまでも練習計画に悩んでいる人や習慣づけに困っている人の、選択肢の一つとしてご覧くださいね。
そうそう。こんな興味深い中学生もいました。
「もう頭の中に『時間割』が出来ていて、その通りにほぼ毎日できてるので(時間割を作らなくても大丈夫)」と。逆にダラダラしてToDoが出来ていないと、イライラ・そわそわして嫌なんですって。既にルーティンワークを完成させているってことですね。確かに、彼女は小学生の頃からいつも良い状態でレッスンに来てくれていました。中学になったら両立はどうかな…と心配したのですが、勉強も部活もある中で一度もペースが落ちたことがないのは、ちゃんと家での過ごし方を確立できていたからなんですね(^^)
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ところで、最近って本当に主婦のあいだで時間割を作るのが流行っているんですね。上でご紹介したメッセージの方もそうですが、夕方から子ども達が寝るまで、お母さんにとって家は戦場。ここをスムーズに乗り切るために、時間割を作って、家事の工夫をして、一日を充実したものにしているママさんが増えているとか。心に余裕が出来てくると、家族にもやさしくなれるかも知れませんね。
コーヒーを淹れてホッとする時に、「ねぇ、このあいだ合格したピアノのあの曲、弾いてくれない?」なんて、お子さんの演奏を聞きながらブレイクタイムを楽しんでくださるお母さんが増えますように(^^)/
先日のT君のお父さんのアイデアを通じて、タイムマネジメントの考え方についてご紹介したところ、結構な反響がありました。教室生ではないご家庭のお母さんからメールを頂戴するなど、案外いろいろな方が読んでくださっていることがわかりました。皆さん、ありがとうございます(^^)/
「わかってはいるんですが、うちの子、ダラダラしてどうしても出来ません」
「何かいい方法はありませんか」
…このようなご感想が多く寄せられました。最初にお断りしておきますが、「こうすればどんな子も必ず効く!」という魔法はありません。そんな魔法があれば、ピアノを習う子は全員、音大生かピアノの先生になれます(笑)だからといって、何もやろうとしないのはピアノを習う意味を成しませんので、トライしてみる価値のあることをもう少しご紹介してみたいなと思います。
「うちの子は何をしても計画が長続きしない」「計画倒れ」と思っているお母さんは多いと思いますが、そんなことはありません。ほとんどの子はじつは、ちゃんと長続きしていることがあるんです。
それは、「時間割」です。
ひとたび学校へ着けば、子ども達は学校の決められた時間割の通りに行動しています。国語の時間なのに「俺は体育する!」といって運動場へ行く子はいないでしょうし、よほどの事情がある子ではない限り、時間割を見ながら「次は算数か…」と思いながらなんの抵抗もなく、算数の用意をし授業を受けます。給食の時間は給食、休み時間になったら遊ぶ、時間割=計画の通りに行動しています。
さらに、これが朝からお昼を挟んで5~6時間ものあいだ、その通りに行動しているわけです。義務教育期間だけ考えても、9年間もやっているわけです。どんな子も!これって、考えてみるとスゴイことだと思いませんか?
なぜ子ども達はこうしたことが出来ているのかというと、好きだろうと嫌だろうと、「それが当たり前」だと思っているから。「積極的に時間割の通りに行動して、達成感を身に着けるぞ!」と思っている子なんていないでしょうし、何も考えずそれを生活の一部として取り込んでいるからこそ、何の抵抗もなく続けられているんでしょうね。
「時間割」は、社会人になってからは「進捗管理」という名に変わっていろいろな企業が採用しています。ToDoを洗い出し、工程がいくつになるか逆算し、期限までに完了させる… あらゆる職場で行われているのではないでしょうか。洗い出しや工程計算などが、いわゆる「事務処理能力」というやつです。これはペーパー上の勉強が出来る・出来ないとは関係なく、自立した社会人になるために必要な、生きる力。学歴社会が崩壊しつつある今後は、このような能力が益々求められていくことでしょう。
(本来 入学試験というものは、受験者の事務処理能力を見るために「勉強」という名のToDoを通じて審査しているとも解釈できます。偏差値が高いとされる学校は、そのToDoの量が多かったり、内容が複雑だったりする傾向がある=難易度が高いというわけ。ですから、「こんな勉強をして社会で何の役に立つの?」といって勉強しないのはナンセンスだと思いますし、受験をすることは決して無益なことではないと私は思っています。)
さてここで、こんなブログをご紹介。
こちらもあるお父さんが、子どもの夏休みの宿題をダラダラさせずにタイムマネジメントなさった好例です。無料のWebツールを使っているので、お子さんが珍しがって喜んで進めたようですよ。
『夏休みの宿題進捗管理をIT化したら子供が凄くやる気出した話』
http://blog.tinect.jp/?p=27400
【タイムマネジメント開始前のリサーチ】
・タスクの事前抽出が出来ていない
・同じく、タスクの全量が事前に把握出来ていない
・なんとなく「すごく多い」というイメージだけで、着手の心理障壁が上がり、着手自体が遅れてしまう
・タスクに取り掛かってしまいさえすれば、タスクの遂行速度に問題はない
⇓
【タイムマネジメント開始】
・長男と話し合いつつ、夏休みの宿題をTodoとして分解・リスト化
・一個のTodoは30分程度で無理なく終わる大きさにする
・最初から遊びや旅行の予定が入っている日はタスク量を少なくする
・週に1回くらい「進捗確認会議」の予定を入れて適宜見直しをする(敢えて仕事っぽい言葉を使う)
・予定通り進んでいたらちゃんと褒めてあげる
⇓
【タイムマネジメントによって解決したこと】
・手をつけるのがイヤなことは、単にやること整理されていないだけであることが結構ある
・整理して細かくタスクを分解すると、大変そうに思えることでも実は案外楽
我が家も息子に似たようなことをしていました。家に帰ってからの「時間割」と「工程表」をエクセルで手作りしていたんです。学校のある通常版や夏休みなどの長期休み版など、数種類のバージョンを作っていました。
特に、息子が帰宅してからの時間帯は私のレッスン時間なので、関わることは出来ませんでしたから、彼は冷蔵庫に貼ってある「おうちの時間割」を見ながら一人で行動していました。
ここでのコツは、最初に「これが当たり前」だと思わせること。「学校の時間割がやれるんだから、家でも同じだよ」と言うと、「そっかぁ~!」とうちの子は何も考えずに嬉々として受け入れていました(単純?w)
「おうちの時間割」と「工程表」をダウンロードできるようにしてみましたので、よろしければご活用ください。時間割はエクセルにしていますので、それぞれのご家庭の環境に合わせてカスタマイズしてみてくださいね。
うちの教室生だけでなく、どなたでもダウンロードできますよ(^^)/
私がブルグミュラーがお気に入りで、いろいろな版を集めて弾き比べしているのは以前もお話したのですが、最近のお気に入りがコチラ↓
東音企画さんから出ている「ブルグミュラー25の練習曲」です。これね、すごく考えられているんです。
蛇腹のようになっていて、ページをめくらなくて済むんです。これまでも、譜めくりをしなくて済むよう、見開き2ページで収まる譜割になっているテキストを選ぶようにしていたのですが、それだと限られたスペース内に収めるために音符が小さくなるので、見づらいデメリットもありました。コレは「使える」!
さらに、アナリーゼやテクニックについての解説が詳しい。執筆陣が第一線でご活躍の先生ばかりで、それも日々子どものために教材研究をしていらっしゃる方々ばかりなので、非常にていねいに考えられています。日頃私が意識していることと同様の内容になっていて、田舎の片隅で細々とやっている私もあながち間違えたことはしていなかった♪と 安堵しました(笑)
さらに、コードネームや音楽用語まで網羅されていて素晴らしい!読みやすく整理されているので、これなら子どもも読んでみようという気持ちになると思います。これまでのものは、上級学習者または指導者へ向けられているのか、難解な言い回しの堅苦しい文章が多かったのです。
これで756円!1,000円しないなんて東音企画さん、素晴らしい。これは絶対「買い」です!
…というわけで、全曲ページ内容を詳しく精査してみて使えそうならレッスンで使ってみたいと思っています。
▼東音企画さんのブルグミュラー刊行のページ
「せんせ~い!あのなぁ~ このあいだほめられたよ~」
ある日のレッスンで、嬉しい報告がありました。
「このあいだな、〇〇ちゃんの家に遊びに行ったときな、
先生に教えてもらった靴の脱ぎ方したら、
〇〇ちゃんのおばちゃんにほめられてな、
〇〇ちゃんのおばちゃんが お母さんにも言ったけん、
お母さんにもほめられたんよ~!!」
ほうほう、それはよかった!(*´∇`*)
当教室では、靴の脱ぎ履き、挨拶、座った椅子はテーブルにしまう、開けたドアはちゃんと閉める…といったことも声がけしています。ピアノレッスンには直接関係のないことのようですが、やはり礼儀作法を知っている子は、ステージでの所作や楽器へ向かう時にも品が出てきて、美しい演奏が出来ます。
何よりも、音楽云々の前に、一人の人間としてこうしたことが出来る人になるって素敵なことだと思うのです。そもそも、これは当たり前のことですしね。
私は両親から「勉強しなさい」と叱られたことはないのですが、躾には大変厳しい家庭で育てられました。「そんなことをしたら、次の人がどんな気持ちがする?」「次の人が気持ちよく出来るように」というのが両親の口癖でした。マナーとは、次に続く人への思いやりなんですね。
自分が今したことが、次はどうなっていくか?
それを逆算して、今すべきことを判断し、行動する。
このような思考が出来るということは、思いやりのほかにも、想像力、思考力等を総合的に養えるのだと思います。
子どもの頃は両親の口うるささが窮屈で仕方なかったのですが、学生になった頃から社会に出たあたりで、目上の方に「最近の若い子にしては珍しく礼儀正しい」といって可愛がっていただき、いろいろな場へ連れて行ってもらえたり、なかなか会えないような人に紹介してもらえたり、たくさんのチャンスを頂きました。その時に初めて、細やかに躾けてもらえたことに感謝したものです。(チャンスを得るためにする行為は本末転倒ですので…念のため^^;)
ところで、玄関で靴を脱いで揃える作法って、ご存知でしょうか?
一番多いのが、後ろ向きにズズズーッとそのまま上がり框へ上がって、靴をドア向きへ揃える上がり方。
靴をちゃんと揃えて上がるので、一見正解のようなのですが、コレ、本当はNGだって知っていました?
※但し、大勢の人たちの靴がズラズラと並んでいるような場ではこの脱ぎ方でも大丈夫だそうです。
次に多いのが、土間に靴下のままになって靴を揃えてから上がるやり方。
教室へやってくる子たちで一番多いのがコレです。
「そうやって脱ぐと、靴下の裏はどうなってると思う?」
「砂とか泥が付いてる」
「そのままお家に上がるとどうなる?」
「床がザラザラして汚れる!」
「そう。だからダメだよね~」
という会話をして、この脱ぎ方はNGなんだよって伝えています。
では、正解は・・・
一旦、お部屋方向(ドアに背を向けた方向)へ向いて靴を脱いで、そのまま上がります。
で、上がり框のところでくるっと向き直し、屈みながら靴を揃えます。
初めてうちの教室へ来たときに、この脱ぎ方を知らない子には、一緒に脱ぎ方からお伝えしています。
一度覚えれば一生モノの財産となります。
本来、こうしたことは習い事をさせる以前にすべき、ご家庭で教えておくことです。「あそこの教室は、礼儀作法も教えてくれるよ」という噂が立ったこともあるのですが、マナーは本来、ピアノの先生に教えてもらうことでは ありません。(言うたったー!笑)
でも最近は、大人でさえこうしたことをご存知ないまま親になっている風潮です。悪気があって非礼なことをしているわけではないのだから、親だから/先生だから…というこだわりは捨てて、知っている人が知らない人に普通に教えてあげればいいんだよね…と思うようになりました。
「うわー、ウルサイ先生!」って言われちゃうでしょうか(汗)
ハイ、Lippia Music Room の先生はウルサイ先生です。
でも「先生の教室の発表会、生徒さんも客席のご家族の方も、マナーが素晴らしいですね~!」って褒めていただいてます。うちの生徒達はどこへ出しても恥ずかしくないぞ!って誇りに思っています(^^♪
発表会終了後、いつものレッスンが再開されました。
教室へ入ってくる生徒の皆さんにまずは「発表会、お疲れ様!どうだった?」と話しかけています。
「緊張した~」
「全然緊張せんかった~」
「楽しかった~」
「がんばったからって、焼肉連れてってくれた~」←いいな~(笑)
どの子からもネガティブな感想が出てこなくて、嬉しいです。^^
同時に、新学期になりましたので、どんなクラスになった?好きなお友達と一緒になれた?…なんていうお話もしてみます。(冒頭にちょっとした世間話をしながら、自然にレッスンへと移行していきます。この時に、生徒のその日のコンディション等もさり気なく窺っています。)
今週のレッスンでは、発表会の反省とともに、今年一年は何を目標にがんばるかを相談するようにしています。春に発表会をすると、進級・進学のタイミグをうまく利用して生徒たちのモチベーションUPを図ることができるので、春の開催はオススメなんです。
今回の発表会であらためて感じたのは、日々の練習で簡単にできる基礎練習をいい加減にしている人ほど、ミスを招いていたこと。ソルフェージュをしないでいきなりすぐにピアノを弾こうとする人、ゆっくり運指を確認せずにすぐに仕上げのテンポで速く弾こうとする人に限って、ツメの甘さが見受けられました。基礎練習って、「そんなのいちいちせんでも、すぐ出来るわ」と思ってすっ飛ばしている人が意外と多いんですよね。
簡単なことが出来ない人に、難しいことは出来ません。
小さい学年の子達には特にお話します。プログラム後半で、難曲を上手に弾きこなしているお姉さん達はみんな、小さい頃にちゃんと先生がいつも言っている手順を真面目に守っていたからこそ、今あんなふうにすごい曲が弾けるようになってるんだよ。手順を守らずいい加減にした人は、みんな途中で辞めちゃったよ、と。小さい子は、大きくなれば自然に弾けるようになると思っているので、「そうなのか!」と新鮮な驚きを見せています。
ピアノって、華やかで楽しいイメージがありますが、その陰には、面倒くさい地道な練習の積み重ねがあることを、一人でも多くの生徒さんと保護者の皆さんに知っていただきたいなと思っています。コレって、別に根性論でもないんですよ。この地道な練習をおもしろがれるかどうか、これがカギなんです。自分の受け止め方次第なんですね。私もそのような気持ちの切り替えが出来るよう、指導法の勉強を続けたいと思います!
先日、発表会を無事終えることができました。今とても幸せな疲労感に包まれています。
じつは本番数日前に体調を崩してしまい、当日は点滴するしかないかな…と思っていたのですが、念じれば通ず!当日の朝、スッキリと目覚めることが出来、ホッとしました。
いつ頃からか、私は演奏曲の仕上げ方を教師側の意向でガチガチに固めてしまうことをやめました。
若い頃は、仕上がり具合のあまりよくない子は“お呼び出しレッスン” をして、納得のいくまで何度も補講レッスンをしてあげていた時期があります。しかし、いつしかこれを当たり前に思う生徒さんや保護者の方が増えてきたことに気づきました。
「そのうち先生が何とかしてくれる」
「何回も(タダで)見てもらえる。ラッキー!」
「親が言っても聞かないので、先生に怒ってもらおう」
このような声が聞こえてしまったのです。(ショックだったな… )
それなら、決められたレッスン回数の中で、コツコツと計画的に努力している子は何だったのか。公平さに欠けると思いました。そして何より、誰かに依存して自分で解決しようとしない姿勢は、「音楽的自立」を目標にしている教室の方針に矛盾していると思いました。それで、一切の補講レッスンをやめることにしたんです。(その分、レッスンで真剣かつ厳しく指導しているつもりです。)
結果、ここ数年の発表会では、日頃の生徒自身のピアノに対する取り組み方が、演奏や曲目そのものに正直に表れるようになりました。
ですので、親御さんによっては、我が子が満足のいく演奏をしてくれて誇りに思っていただける方もいらっしゃれば、逆に如何ともしがたい悶々としたものを抱えた方もいらっしゃるかも知れません。
ただ、その結果だけを見て一喜一憂しないでいただきたいと思います。その結果へ通じるまでの過程を振り返ってみてください。
・うちの子はセンスがないから。
・○○ちゃんとうちは違うから。
・うちの子はバカだから。←(これにはさすがにびっくり!)
こんな悲しい言葉を耳にしたこともありますが、それだけで片づけてしまうのはあまりにも勿体ないです。どんな子でも、ピアノを習っている以上、必ずどこかで「私も本当はうまくなりたい」と思っています。その気持ちに親自身がフタをするようなことは、して欲しくないと思います。
どうぞ、発表会という貴重な機会を、これまでのピアノに対する習い方の振り返りと、今後の活かし方へつなげていただきたいと思います。それこそが、発表会の趣旨なのですから。
最後に。生徒の皆さん、本当によくがんばりました。お疲れさま!
まずはゆっくり休んで、また新しい曲に取り組んでいきましょうね(^_^)/
****お母さんにも考えてみてほしい、こんなBlog 見つけました****
『子どもに合った塾を探すのも、塾代を出すのも、その後の授業料等々を出すのも親。子どもの通える範囲で、子どもに合った学校を探し、見学に連れて行ったのも、親です。』
↑これって、ピアノにも言えますよね^^;
三寒四温の中、日に日に春らしくなってきました。
今年もやっと、生徒たちの長い長い受験生活が終わり、全員が志望校へ合格したとの知らせ\(^o^)/
2~3ヶ月程お休みしていた子も、みんな嬉しそうな笑顔でレッスンに復帰してくれました。
「進学したらピアノはどうする?」
まずは学校のことが大切ですから、勉強や部活が大変になるのにピアノも続けてねとは言いづらく、毎回どうするかな?と思いながらこの質問をするのですが、みんな続けてくれるとの嬉しいお返事(^^♪
「週に一度ここへ来てピアノを弾いたり先生と話をしたりするのが息抜きになる」と言ってくれます。
私のレッスンでは、基礎を学ぶ時期はかなり厳しく事細かにレッスンをするのですが、基礎を経て、自分の力で譜が読め、自分の力で曲を形にすることができるようになったら、すっかり手放します。「こんなレッスン」のページでもご紹介している「守・破・離」の通りです。
ですから、中高生ともなってくると、選曲も自分のやりたい曲を自分で選んでいいよと伝えています。クラシックでもいいし、ポップスや映画音楽、TVで聴くようなアーティストの曲、なんでもOKにしています。高校生くらいになってくるとバンドを組む子もいて、バンドスコアの読み方を教えることも。私も高校生の時に女の子バンドを組んで、4校ライブに出ていたんですよー。(当時は青陵・天城・南・古城池の4校による合同ライブがあったのです♪)
レッスンを続ければ続けるほど、先生が優しくなる、レッスンも楽しくなるという…(笑)
****
というわけで春からのレッスン、発表会も控え、いよいよスタート。
只今、新しいレッスン枠の調整中です。新規のご入会もあと1名くらいでしたら何とかお入りいただけそうですが、そろそろ締め切らせていただこうと思っていますので、気になっている方はご連絡ください。
そろそろ受験の季節が近づいてきましたね。
このところ、このホームページへも「中学受験 ヤマハグレード」「調査書 受験 ヤマハグレード」などの検索ワードで、たくさんの方がお越しになっているようです。
私の息子がかつて中学受験をしましたので、その時の経験談を少し書いてみたいと思います。
これはあくまで我が家の場合に限っての話ですので、受験の定石ではないことを前提にお読みください。
中学受験をするにあたり、6年生の秋ごろ、小学校の担任の先生に調査書の作成をお願いしました。
当時、記入欄には資格や表彰歴を書くところはありませんでしたが、学校外でも1つのことを頑張って継続してきたものがあるということを先生に知っていただこうと思い、ヤマハグレード6級を取得していましたので、合格証書を一緒に提出しました。ヤマハグレードの6級は、学習者グレードの最高級となっており、小学生で6級取得は胸を張ってもよいレベル。
ほかに検定など、校外で個人的に取得したものや表彰されたものは証書と一緒に報告しました。
「証書」があるというのがポイント。「小さい頃からサッカーを頑張りました」「幼稚園からピアノを続けています」だけでは、記入することは出来ないようです。何等かの形で、頑張ってきたことを証明できるものが必要のようですね。
それから先は、先生の采配にお任せするだけ。「先生にご記入していただく際の、何かの材料になることがありましたらお使いください」とだけ、メモを添えました。決して「このことを調査書に書いてください」とは言いませんでした。
調査書の中に反映してくださる先生もいれば、校外活動には触れない先生もいらっしゃると聞きます。
そもそも学校の先生は、放課後にも職員会議や指導案、資料の作成など、デスクワークが山積み。遅くまで職員室に残ってお仕事をされていますから、受験で必死といえども、こちらの都合ばかりを押し付けるのは控えるべきでしょう。本来、中学受験というのは個人的なことであり、通常ならそのまま学区の市立中学へ進学すればいいところを、わざわざ先生に余分なお手間をとらせてしまう訳ですので、出来る限り先生のご都合に合わせながら、「お願いする」というスタンスを忘れないよう気をつけました。
そのおかげがあったのかどうかは定かではありませんが、担任の先生は「教え子のやる気は応援しますよ!」と好意的に受け入れてくださり、息子は無事、志望校に合格しました。
▼ヤマハ音楽振興会のグレード一覧(表をクリックor タップすると、ヤマハのHPへ飛びます)
高校受験でも、内申書に書いてもらえる(かも知れない)ということで、これまでにグレードを取得した生徒さんが何人かいます。ヤマハが提示している試験内容は、演奏・音楽理論・聴音・即興演奏など項目が多岐にわたり、各大手音楽教室が運営しているグレード制度の中でもかなり高度なものとなっています。このことをご存じの先生は、校外活動であってもこのヤマハグレードのことを反映してくださる方もいらっしゃるようです。重ねて言いますが、ヤマハグレードはあくまでも任意のものであって、高校受験では英検・漢検・数検等の方が優先されますから、まずは勉学を大切にしてください。
通常のテキストの曲を弾くだけで精一杯…という生徒にはお勧めしていませんが、やる気があればグレードに対応したレッスンもしています。グレードを取るからには確実に合格できるよう、高得点を目指してノウハウを伝授します。これまでに伝授された生徒たち皆、オールA、あってもBまで…と、どの子も好成績です♪ 興味のある方は、お問合せください。
世の受験生の皆さんの努力が報われて、志望校へ合格しますように・・・!
来年、発表会を計画しています。
1年前から会場や写真屋さん、お花屋さんなどの手配を始め、最近は選曲をしています。
コーヒー片手に(私は大のコーヒー党♪)、生徒さん一人一人の顔を思い浮かべては、「あの子は手が小さいからこの曲かな」「意外とカッコいいのが好きって言ってたあの子はこれかな」などとブツブツ考えながら、楽譜の山を引っ張り出してあちこち付箋をつけていきます。
今やっているテキストよりも、ほんのちょっとだけ背伸びをしたら届きそう… というくらいのレベルを選ぶのがコツ。今と同レベルの曲だと伸びません。
立派にステージをやり終えて、通常のテキストに戻った時には、「あれ?何だか本が簡単になった気がする」と思えたらしめたもの!そう、かなり力をつけた証拠なんですね。ここで一気に、進度を進めちゃいます。
長年このお仕事を続けていると、子ども達の成長の時期には、タイミングがあるんだわ…ということがわかってきました。^^
今年もやりました!ハロウィーンイベント♪
仮装をする/もしくは服の一部に黒かオレンジ、ハロウィーンに関するものを身に着けて、「トリック・オア・トリート!」と元気よく教室へ入ってきた子には、お菓子をプレゼント!!
いつも真面目なレッスンばかりだと息苦しいだろう・・と、たまにお遊び的なことも取り入れています。
お母さんと数日前から相談したようで、みんな楽しく工夫してやってきてくれました。
その一部をご紹介♪
カメラを向けるとすごく嬉しそう!みんな可愛いぞー!バッチリお菓子をもらって帰りましたよ(^0^)
*****
本来、ピアノにはこのようなイベントは関係ないのかも知れません。
お忙しくて、用意ができないご家庭もあるかと思います。
そんな中、親子で「どんな格好で行く?」って相談するひとときや
レッスンが終わって、迎えに来たお母さんに
「お菓子もらったよ~」と嬉しそうにしている子と
「よかったね~」ってニコニコしているお母さんの姿
・・・そうした親子の笑顔を交わす一瞬一瞬が
ずっとあとになって子ども達の支えとなり力になると思っています。
ご家庭の皆様のご理解・ご協力に感謝申し上げます。
少し前、石井なをみ先生の「新版 オルガン・ピアノの本活用講座」を受けて来ました。
「オルガン・ピアノの本」は57年前にヤマハから出版された、初めてピアノやオルガンを習う子のための導入本。バイエル一辺倒だった時代に登場した画期的な本です。このシリーズが内容・装丁共にリニューアルされました。
私が導入テキストの条件として決めているのは、
・大譜表で両手奏で始められること
・譜割りがスッキリ整っていること
なぜかというと、子どもは一番最初にインプットされたことをよく覚えていて、その後から習うことを上書きしにくい習性があるからなんです。
バイエル上巻は両手ともト音記号しか出てきません。ヘ音記号は下巻から出てきます。このため、ト音記号のみでガッチリ譜読みが完成されてしまうと、後からヘ音記号が登場したときに混乱して、小さな子はなかなか覚えられないんです。利き手ではない左手ということも相まって(左利き除く)、ヘ音記号を読むのが苦手!左手キライ!右手のメロディーだけ弾いて遊んで終わり!という子が続出しました。
(バイエルの名誉のために言いますが、バイエルは後半に構成力のある質の高い曲も多く収められていますし、左手にはⅠⅣⅤの主要三和音による伴奏をたくさん使用しているので、調整の勉強になる良い本です。私は導入には使いませんが、大譜表が読めている子には後半を使う場合はあります。)
さて、セミナーでは石井先生の楽しい話術と共に本の活用方法について様々なアイデアをいただきました。現在、当教室では樹原涼子先生の「ピアノランド」シリーズを気に入っていて導入本のメインにしているのですが、左手に和音奏があまり入っていないこと、リズムや拍感の弱い子には少し難しいこと…等がネックになっていました。そんなときにこの「オルガン・ピアノの本」シリーズは、シンプルなので大変有効に使えそうです。石井先生のおっしゃる通り、ブルグミュラーへの移行にも良いと思いました。基本を覚えられていない子のリハビリにも良さそう(^^;)
「帯に短し襷に長し」といった導入本が多い中で、取り上げている楽曲もよく吟味されていて、"改悪” ではなく“改善” の新版となっていて、とても嬉しくなりました。
石井先生、これまでもコンクール課題曲のセミナー等を受講したことがあるのですが、ついつい「あるある!」と笑ってしまうような、ピアノ教師ならではの悩みや本音を面白おかしくお話されて、すごく楽しい先生なんですよ。講義は有意義&笑いであっという間でした♪ 生徒たちに還元しなくては~!
お天気のよい日にガーデンパーティーを開きました。
日頃個人レッスンのため、生徒さん同士の交流がなかなかないので、この日ははピアノのことも忘れて、ひたすら遊んでおやつを食べて過ごしてもらいます。
最初はモジモジしている子達。すぐに「先生~」といって私に依存してくるのですが、放っておくと仕方なく傍にいる知らない子に話しかけるようになり、そのうち一緒に庭や畑で遊び始めて、最後にはすっかり仲良くなります。
学年の垣根を越えて、いろんな世代が仲良くなる姿に心なごみます。だんだん学年が上になってきた子達が、さり気なくお手伝いをしてくれて、「成長したなぁ~」と嬉しくなります。
日頃から玄関の上がり方(靴の揃え方等々…)をお伝えしているので、みんなの脱いだ靴がキレイにならんでいるのは圧巻で、嬉しかったなぁ~(写真を撮り忘れました、残念!)
我が家は庭も畑も完全無農薬・無肥料なので、アレルギーの心配もなく、いろんな植物や虫がいて生態系が豊富なんです。子ども達も楽しそうに遊んでいました。こういう時は私よりも夫の方が人気(笑)
生徒ちゃん1「おじちゃん、これなに?」
おじちゃん「ヤゴじゃ」
生徒ちゃん1「ヤゴってなに?」
おじちゃん「ヤゴを知らんのか?」
生徒ちゃん2「知ってる!トンボの赤ちゃんでしょ?」
おじちゃん「そうそう」
・・・そんな会話を聞いていると幸せだなぁ~と。
何気なく遊んでいるだけのようなイベントですが、風の音、空気や土の匂い、手触り・・・いろいろな感覚や感性は演奏のテクニックを支えます。レッスンの際、曲の情景やイメージを膨らませるために話す例え話にピンとこない子が増えている昨今、即効性はないかも知れませんが、自然に触れる機会は大切にしてもらいたいなと考えています。
「ピアノで習ったことは全然覚えてないけど、先生んちで遊んだのは楽しかったなぁ~」っていうのでもいいんです、ホントは。(いや、よくないかw)
少し前のことになりますが…
パソコンの調子があまりにも酷いので、リカバリをしたんです。その際、これまでの情報データはしっかりバックアップしていたつもりだったのに、なぜか教室便りのデータを消失…(涙)
手書きの頃からカウントして、もう10年以上続けているものなので、すっかり萎えてしまいました。
そこで、教室便りに「これまでの物をお持ちの方、スキャンさせてもらえませんか」と、ダメモトで呼びかけてみたのです。案の定、数日経ってもなしのつぶて。
……と思っていたら!
「先生、お母さんから言付かってきました」という生徒さんが。
手元には、シワ一つない教室便りの束!彼女が小学生の頃から高校生になるまでの十数年間のものを、お母様は大切に保管しておいてくださったのです。
感激のあまり泣きそうになりました。
バッグの中でいつまで経ってもお手紙がグシャグシャになったまま…ということは経験しているだけに(苦笑)、これは本当に嬉しかったなぁ。ほかにも時々、「OTODAYORIを楽しみにしています」と言ってくださるママもいらして、こういう時、いつも私は二重の意味で嬉しくなります。
二重の意味とは、1つは、私が伝えたいこと、わかっていただきたい想いを、受け止めてくださるお母様がいらっしゃるという嬉しさ。
そしてもう1つは、我が子の習い事に対して真摯に向き合い、環境を整えるために親として出来ることをしようと考えている故にお手紙を読んでくださる… その親心に心打たれるという意味での嬉しさです。
またこれからも教室便りの発行は続けていきたいと思います!そうそう、話が逸れますが、「なしのつぶて」って「梨の礫」って書くんですね~。「梨」はただの当て字、「礫」は小石のことだそうです。文章を書き続けていると新たな発見があって、これもまた継続するモチベーションになりますよ☆
作曲家 春畑セロリ先生のセミナーへ行ってきました。
題して
「分析力・発想力・表現力を鍛えよう!~ブルグミュラー徹底解剖 」
私、ブルグミュラーが大好きなんです。
春畑先生はいつもほわわんと温かい雰囲気で、「こうじゃなきゃダメ!」というような縛りから解放された楽しい講義をしてくださいます。
今回は数年前に音楽之友社から出た、改訂版のブルグミュラーをテキストに、お話が展開されました。この改訂版は春畑先生が解説を執筆なさっています。
改訂版では、私が子どもの頃に弾き、今もレッスンに使用しているテキストとは違い、フレージング等細かい部分に見直しが入れられています。「えっ、えっ!ここでフレーズ切るの?」「わ、ここはどんな解釈だろう?」
セミナーから帰宅すると、早速本棚を漁る・・・
生徒さんやお母様の中にはご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、テキストというものは、出版社によっていろいろなタイプがあります。
フレージング、ペダルの有無、指番号、解説、譜割り…
楽曲はどれも一緒ですが、編者によって細かいところが微妙に違っているんです。
この「ブルグミュラー25の練習曲」も、同じ曲でも解釈が違っています。ブルグミュラー25は、当教室でもメインテキストの1つにしていますので、いろんな出版社から出ているものを集めては試弾して弾き比べをしてみて、解説が詳しく、私なりに「これが一番美しいかな」と思えたものを選んで、生徒さんにお渡ししています。
テキスト研究をしていると、作曲家の意図することを分析家がどのように解釈したのかが窺え、まるで二人の対話をのぞき見しているみたいで楽しいんですよo(^-^)o
中にはこんな楽しい楽譜も。連弾用の楽譜です。
こちらのアルフレッド・バトラー版は、伴奏のアレンジが素晴らしく表情豊かで、オーケストラを想起させるようなハーモニー感があります。うまく仕上がった生徒に一緒に弾いてあげると、弾き終わった後の「ステキ~!」とでも言いたそうなキラキラした表情が何ともいえません^^
コードネーム付きの楽譜は、コード奏法が当たり前のエレクトーンの生徒に渡しアレンジの参考にさせることもあります。古典派~ロマン派の移行期にあるこの曲集は、ポップスを弾くことの多いエレクトーンの子にも親和性が高いので、クラシック曲を学ぶ入口に使うこともあるのです。
ブルグミュラーの作風を見てみると、ブルグミュラーが子ども達のためにいかに心を砕いて曲づくりを考えていたかがわかります。例えば、一番最初に登場する「素直な心」という曲。右手5番(小指)から始まり、左手は3つの音を一度に鳴らさなくていけないので全音符にして伸ばしっぱなし。強弱記号は「p(ピアノ=弱く)」から始まっています。最初からガンガン鳴らさず、テクニックに走らず、まるで子ども達の小さな手ゆえの負担を和らげようとしているかのようです。このような心くばりが、どの曲にもさり気なく添えられているんです。
ブルグミュラーさんて、きっと優しい人だったんだ!と思っちゃう^^
「子どもが負担なく弾けるように」という制限のある中で、それを感じさせない豊かな曲風に仕上げているブルグミュラーの力量やセンスの良さを、春畑先生も絶賛なさっていました。私もブルグミュラーが大好きな理由がここにあります。
楽曲分析って面白いでしょ?理論と感情の双方で曲を捉えられるようになるといいですね♪
無事に発表会が終わりました。
どうしてだか… 毎回、翌日には全身筋肉痛^^;
自分では自覚がないのですが、力が入っているのかな?
ここ数ヶ月、いつもとは違った緊張感で練習にのぞんでもらいました。今年は "初めてさん" の出演が多かったので、発表会がどのようなものなのか、ステージに立つってどういうこと?と初めて体験した生徒さんも多かったのではないでしょうか。
「緊張するぅー 緊張するぅー」と言っている子、別人のようにフリーズしちゃって固まっている子(笑)、ニコニコしていたのにいざ弾く時になると足が震えている子。そうかと思えば、全然緊張しないで堂々と弾いた子。
私もかつて、いろいろな先生やプロミュージシャンの方に「どうしたら緊張しなくなりますか?」とお尋ねしたことがあります。
皆さん口をそろえておっしゃったのが「そりゃあ、練習する。これしかない!」でした。
たとえ緊張のあまり頭が真っ白 になったとしても、勝手に指が動いてくれる…そこまで練習していれば、緊張することはない。このような心境になっていれば緊張に襲われることはない…ということなのだと思います。
さぁ、皆さんはどうだったでしょうか。「終わった、終わったー!」だけで終わらせず、ぜひこれからの音楽ライフにつなげる体験にしてくださいね。
***
発表会当日は、奇しくも母の日でした。
夕方の一番忙しい時間帯に、時間をやりくりして(お財布もやりくりして!)毎週毎週教室まで送迎してくれているお母さんに日ごろの感謝を込めて、ここで教室を卒業する高校生二人に、代表して感謝のメッセージを読んでもらいました。二人は幼稚園の頃から習い始めて、十数年ものあいだ通ってくれた子たちです。
“辞めようと思ったときも、スランプに陥ったときも、いつも母の応援があったおかげでここまで来れました… 今日はみんなも家に帰ったら、おうちの人に「ありがとう」って言いましょう!”
教室の先輩らしく後輩たちへも声をかけてあげなら、お母さんへの感謝の気持ちを伝えてくれた二人。「オトナになったなぁ…」と込み上げるものがありました。
帰宅してから、皆さんからいただいたお花やお菓子の差し入れ、お手紙、メールを一つ一つ紐解きながら、このお仕事を続けさせてもらえていることへの感謝の気持ちが溢れて涙が出ました。そして、このお仕事ができるようになるまでにさせてくれた、私の両親への感謝をあらためて感じました。「継続は力なり」って、本当に深い言葉だなと思います。
お父さん、お母さん、どうか子どもさんがくじけそうになった時には、一番の味方になって励ましてあげて、どうか続けさせてあげてくださいね^^
いよいよ新年度がスタートしましたね。
進級・進学された生徒の皆さん、おめでとうございます(^^)/
おかげさまで、今年度も新しい生徒さんをお迎えして、満員御礼でレッスンがスタートしました。
(途中で空きが出る場合もありますので、随時お問い合わせ、体験レッスンには対応しています)
只今教室では、発表会へ向けての練習で大忙し☆
譜読み期間中は運指から音価まで、かなりじっくりと時間をかけて正確な譜読みができるよう、楽譜に向き合ってもらっています。(私はこの期間にかなり時間をかけています)
譜読みが済んだら、今度は一旦楽譜から離れてもらいます。
フレーズの歌い方、風景がイメージできるような表現、心をこめた演奏ってどうやるの?
…といった、楽譜上では表記しにくい抽象的な内容を詰めて、自分らしい演奏を探してもらいます。(表現するための体の使い方、指先のコントロール、椅子の座り方までお話します。)
レッスンもここまでくると、「一緒に音楽を作っている」って感じになってきて、とっても楽しいんですよ!「え?もう終わり?」ってくらい、時間があっという間^^
譜読みは自宅で済ませてある程度 形にしてから、こうした”目に見えない”抽象的なレッスンを受けるのが、そもそも本来のレッスンであってほしいもの。だって、「ドの上に指番号が3」って書いてあったら、3番でドの音、弾けますよね?「ミの上にスタッカート」が書いてあったら、どんな風に弾けばいいか、もう習ったよね?♯も♭も、どこを弾けばいいか、知ってるよね?
自分で読めばすぐに出来ることを、先生に注意されて教室で直すことほど、時間のもったいないレッスンはないと思いませんか。(お金だってもったいないです…音楽を時間やお金に換算するような考えは不本意ではありますが )ただ何となくピアノの音を鳴らしただけで、楽譜にかかれてあることをちっとも見ていないとしたら、それは「練習したつもり」になっているかも…
おうちの方も「うちの子が弾いてる曲、合ってるのか間違ってるのかよくわからないけど、何かしら音が鳴ってるから、まぁ練習はできてるんでしょう… 」と思っていると危険かも^^;
曲が仕上がってきた生徒さんには、お辞儀の仕方や椅子に座る時の所作など、ステージ上での美しい所作についてもお話しています。本番は緊張しますので、つい無意識に自宅でやってることが出がち(笑)そうならないよう日頃から美しい姿勢で練習しておきましょう。
気になっていたお天気もなんとか持ち直し、
みんなが楽しみにしてくれていたガーデン・パーティーが
おかげさまで、今年も無事に終わりました。
昨年あたりから、教室内の生徒さんたちも
世代交代が起こりつつあります。
年齢層が比較的高めから、低めへと変わってきました。
今回は“初めてさん” もたくさん!
そして、これまで“低学年さん”と呼ばれていた子達が
いよいよみんなから「お姉さん」と呼ばれるように。
「●●ちゃーん、△△ちゃーん、ちょっと手伝ってくれるー?」
というと、ササッとやって来てくれます。
「先生、何か手伝おっか?」って言ってくれる子もいて、
そんなみんなの成長ぶりを見るのが、
ガーデン・パーティーをする時の私の密かな楽しみなのです。
最初はみんな、恥ずかしがってシーンとしてしまうので、そのたびに
「ヤバイ、今年は盛り下がっちゃうかな…」と焦ってしまう私ですが、
だんだんとお隣さん同士で「何年生?」とか
「どこの小学校?」「えっ!幼稚園なん?」などと、あちこちで会話が生まれてきて、
ようやく一安心。みんなが仲良くなり始める光景を見つけるのも、私の楽しみです。
3時間程のあいだにすっかり仲良しになり、最後は「だるまさんがころんだ」で大盛り上がり!
その頃にはお互いの名前は覚えているので、だるまさんがころんだをしていても
お友達の名前をちゃんと呼び合って遊んでいます。
「えー!まだ帰りたくなーい」なんて言いながら、パーティーはお開き。
(レッスンもこれくらい盛り上げればいいのにな…というのはナイショ・笑)
発表会では、お友達同士で連弾やアンサンブルもできるといいなぁと思っています。
楽しみにしているガーデン・パーティー、どうやらお天気が雨のようです。
雨天の場合も、室内で予定どおり行います。
途中で雨が上がっても、畑は足元が悪くなっている思われますので、
お庭のお花を見て楽しむ程度になると思います。
クラフト制作のほか、DVD鑑賞会(音楽に関する子ども向けのもの)を
準備いたしますので、楽しみにいらしてくださいね!
少しずつ、春が近づいてきているようです♪
春は別れと出逢いの季節ですね。
***
春の進級・卒業にともない、しばらくのあいだ休止していた
生徒募集を、若干数ですが再開します。
お勧めしているのは、体験レッスンかレッスン見学を
受けていただき、お互いの顔を見てよくお話したのち、
入会を検討していただく、という流れです。
事前にお子様の年齢や楽器の経験の有無などをお聞きし、
初心者の方には、こちらで簡単なテキストをご用意します。
経験者の方は、これまでのテキストをお持ちいただき、
それらを使用して体験レッスンをいたします。
ご希望や悩みごとなども、どうぞお知らせください。
ご興味をお持ちいただけた方は、申し込みフォームより
私のレッスンに対する方針とQ&Aもぜひお読みください。
少し前、希望する生徒を連れて、コンクールの“見学”をしてきました。
コンクールに出るまではしないけれど、
普段のレッスンで、同じ課題曲を練習してもらっておくのです。
そしてコンクール当日、本番に臨むほかのお友だちの演奏を聴くと、
これが、とてもよい勉強になるんです。
「あ~ 自分はまだまだだなぁ」
「来年はちょっと出てみたいかも!」
…などと、教室の外の世界を見ることで、自分の世界も広がるわけです。
うちでは、「悔いがないよう、出来る限りの努力はします!」と
胸を張って言えるくらいの準備が出来るようになってはじめて、
コンクールには出てもらっています。
“審査”をされ、“結果”も出ることなので、発表会とは少し違った
緊張感や覚悟を持てないと、コンクール特有の空気に呑まれてしまうからです。
ここには、本人だけでなく、ご家庭の経済面や精神面での支援体制も必要になります。
コンクールに出るというのは、かなりのエネルギーがいるんですね。
ですから、コンクールに出演できることって、本来はすごい体験なのです。
うちの教室は、バリバリコンクールに出る子や、毎年音大に進む子を輩出するような
レベルの高い教室ではありません。
やるからには真剣にがんばりたい子や、そこまでは出来ないなぁ…という子など、
いろいろなタイプの生徒さんがいますので、
誰にでも安易にコンクールは勧めてはいないのですが、
せっかくピアノを習っているのだから、時には、教室の外へ出て、
同じように(もしくは自分以上に)がんばっている同世代の子たちの演奏を
聴いてもらって、刺激を受けて欲しいなと思っています。
“見学”をしたり、コンサートへ出かけたりしながら、
少しずつ、少しずつ、子どもたちの音楽の扉を開いています♪
そろそろ学校では、学芸会や学校音楽祭の準備が始まるようです。
すでにオーディションに合格して、
花形といわれている大型楽器やピアノ伴奏が決まっている子、
これからオーディション!っていう子も。
独奏とは違い、合奏や合唱の伴奏というのは、ただ上手に弾けるだけでは、
大役は務まりません。ほかの人たちの音を聴き、自分の音も聴き、
バランスを一番に考えて演奏しなくてはいけないので、
「協調性のある耳」を持つことがとても大切なんです。
特に伴奏は、演奏方法にもちょっとしたコツが要るので、
学校の先生の指導方針のおじゃまにならない程度に、
レッスンで少しポイントを見てあげるようにしています。
オーディションというと、どうしても「合否」が分かれてしまうので、
子どもたちの中で「優劣」がつくことが心配・・・(-_-;)
謙虚な気持ちで取り組んで欲しいなぁと思うので、
「誰が上手かなんて関係なくて、どのパートも大切で、
みんなの心が一つにならないと演奏は成功しないからね」
と伝えるように心がけています。
嬉しいことに毎年、うちの教室から誰かしらが伴奏者に選ばれているので、
市民会館で5年生が発表する学校音楽祭へは、毎年私も見に行っていて、
今年も子どもたちのピュアな演奏が聴けるのを楽しみにしています♪
お手玉が完成しました~♪
バスティン・メソッドを採用している教室では
すでに定番のこのお手玉。
普通のものより大きめで、ピアノの鍵盤の重さを意識して、
中に入れる詰め物の重さも指定があります。
(私は昔ながらの小豆を入れました)
意外とズッシリしているんですよ。
布地はキュプラを使用しました。
すべりが良いので、しっかり掴もうとする意識が働くのと、
手触りが子どもたちに好評なのです。
ポリエステルよりも、天然素材により近いですし。
(だから高品質の洋服には、
裏地にキュプラがよく使われています)
このお手玉は楽器店や音楽雑貨店などでも
購入できますが、(1つ1,000円!)
できれば、お母さんの手作りだとちょっと素敵♪
このお手玉の作り方をPDFファイルに作りましたので、よろしければ
ダウンロードして作ってみてくださいね。
忙しいママ&お裁縫苦手ママなら、
印刷しておばあちゃんに「作って~」っておねだりしてもいいかもね!
ダウンロード先はこちらをクリック⇒ ピアノ用お手玉のつくりかた★