がんばってるのに、空回りしてない?

「ちゃんと練習したのにうまくならない」と悩んでいる人が増えているようです。

よーく観てみると、確かに練習はしているのですが、その練習の進め方に「?」がつく人がいるんですね。

「つもりになっている」という盲点

図をご覧ください。ピアノがなかなか弾けない子たちをよーく観察していると、共通する練習のパターンがあります。 

 

図のように、難所に行き詰まると、前の小節へ戻って弾き直す。また同じところで詰まる。→戻って弾き直す→詰まる→戻って弾き直す・・という無限ループ。。。

 

結局、肝心の難所の部分に手を付けていないので、いつまで経っても弾けるようにはなりません。ただ悪戯に時間が過ぎているだけの練習。。。私はこれを「逃げる練習」と呼んでいます。

 

難所から逃げる、挑戦することから逃げる。乗り越える力や上達するチャンスが逃げる。

 

そして、時間が逃げる

 

このままいくと、中学生になった頃には、勉強や部活がある中で、ピアノまで両立させることが難しくなります。時間効率の悪い練習の仕方をしているので、いくら時間があっても足りなくなるです。

 

 

ここからが更に厄介なのですが、本人はそれでもピアノの蓋を閉めることなく、何度も何度もやり直しているので、「頑張って練習した」と思っています。

 

親も、子どものピアノの音が何度も聞こえてくるので、「お、今日は頑張ってるな ^^ 」と思っています。

 

 

つまり、練習した「つもり」になっているんですね。

 

「うちの子、結構頑張っていたのに、どうして合格しなかったのだろう?」と思われた親御さんは、その練習の中身(=質)に対してOKが出なかったとご理解ください。

 

 

こうしたケースは、何が問題かを把握していないんですね。言い換えれば、問題が何なのかがわかっている子は必ず直ります。弾けるようになります。

 

そして、どのように手を付ければよいのか、合理的な方法を学ぶ場が、ピアノレッスン。

我流でやるよりも、全体の体系から逆算して目の前の細部を分析していますから、合理的なのです。レッスンを受けるとは、そこを受け取り持ち帰ることが出来るか?ということに尽きるんですね。

 

せっかくの “お土産” を持ち帰らずに、我流で終わっている子は、とっても勿体ない行動をしているというわけなのです。 

 

図のような思考パターンで無自覚に自分の行動を制限している子はとても多く、労力の割に報われず苦しんでいます。勉強面でも同様の現象が起きているのではないでしょうか。

 

例えば、くもん式では入会の際、子どもがどこで躓いているかを探り、そこから更に簡単な単元まで戻ってスタートさせるそうですが、これも「問題が何なのか?」を探って、子どもたちの「わからないことがわからない」状態を整理しているのだと思います。

 

私のレッスンも同様です。

 

 

乗り越え方を経験しておくと、大人になってから様々な複雑で根気の要る場面に遭遇したときに、どのような思考と行動をとればよいのか、自分でわかります。つまり、自立できるということなんですね。

 

マニュアルに頼らず、自分で問題を発見し対処する… そのような思考になれれば、空回りから脱出できるようになり、実のある練習に切り替わることができますよ!思い当たるご家庭は、ぜひお子さんがどうやって練習しているか、観察してみてください。