先日のT君のお父さんのアイデアを通じて、タイムマネジメントの考え方についてご紹介したところ、結構な反響がありました。教室生ではないご家庭のお母さんからメールを頂戴するなど、案外いろいろな方が読んでくださっていることがわかりました。皆さん、ありがとうございます(^^)/
「わかってはいるんですが、うちの子、ダラダラしてどうしても出来ません」
「何かいい方法はありませんか」
…このようなご感想が多く寄せられました。最初にお断りしておきますが、「こうすればどんな子も必ず効く!」という魔法はありません。そんな魔法があれば、ピアノを習う子は全員、音大生かピアノの先生になれます(笑)だからといって、何もやろうとしないのはピアノを習う意味を成しませんので、トライしてみる価値のあることをもう少しご紹介してみたいなと思います。
「うちの子は何をしても計画が長続きしない」「計画倒れ」と思っているお母さんは多いと思いますが、そんなことはありません。ほとんどの子はじつは、ちゃんと長続きしていることがあるんです。
それは、「時間割」です。
ひとたび学校へ着けば、子ども達は学校の決められた時間割の通りに行動しています。国語の時間なのに「俺は体育する!」といって運動場へ行く子はいないでしょうし、よほどの事情がある子ではない限り、時間割を見ながら「次は算数か…」と思いながらなんの抵抗もなく、算数の用意をし授業を受けます。給食の時間は給食、休み時間になったら遊ぶ、時間割=計画の通りに行動しています。
さらに、これが朝からお昼を挟んで5~6時間ものあいだ、その通りに行動しているわけです。義務教育期間だけ考えても、9年間もやっているわけです。どんな子も!これって、考えてみるとスゴイことだと思いませんか?
なぜ子ども達はこうしたことが出来ているのかというと、好きだろうと嫌だろうと、「それが当たり前」だと思っているから。「積極的に時間割の通りに行動して、達成感を身に着けるぞ!」と思っている子なんていないでしょうし、何も考えずそれを生活の一部として取り込んでいるからこそ、何の抵抗もなく続けられているんでしょうね。
「時間割」は、社会人になってからは「進捗管理」という名に変わっていろいろな企業が採用しています。ToDoを洗い出し、工程がいくつになるか逆算し、期限までに完了させる… あらゆる職場で行われているのではないでしょうか。洗い出しや工程計算などが、いわゆる「事務処理能力」というやつです。これはペーパー上の勉強が出来る・出来ないとは関係なく、自立した社会人になるために必要な、生きる力。学歴社会が崩壊しつつある今後は、このような能力が益々求められていくことでしょう。
(本来 入学試験というものは、受験者の事務処理能力を見るために「勉強」という名のToDoを通じて審査しているとも解釈できます。偏差値が高いとされる学校は、そのToDoの量が多かったり、内容が複雑だったりする傾向がある=難易度が高いというわけ。ですから、「こんな勉強をして社会で何の役に立つの?」といって勉強しないのはナンセンスだと思いますし、受験をすることは決して無益なことではないと私は思っています。)
さてここで、こんなブログをご紹介。
こちらもあるお父さんが、子どもの夏休みの宿題をダラダラさせずにタイムマネジメントなさった好例です。無料のWebツールを使っているので、お子さんが珍しがって喜んで進めたようですよ。
『夏休みの宿題進捗管理をIT化したら子供が凄くやる気出した話』
http://blog.tinect.jp/?p=27400
【タイムマネジメント開始前のリサーチ】
・タスクの事前抽出が出来ていない
・同じく、タスクの全量が事前に把握出来ていない
・なんとなく「すごく多い」というイメージだけで、着手の心理障壁が上がり、着手自体が遅れてしまう
・タスクに取り掛かってしまいさえすれば、タスクの遂行速度に問題はない
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【タイムマネジメント開始】
・長男と話し合いつつ、夏休みの宿題をTodoとして分解・リスト化
・一個のTodoは30分程度で無理なく終わる大きさにする
・最初から遊びや旅行の予定が入っている日はタスク量を少なくする
・週に1回くらい「進捗確認会議」の予定を入れて適宜見直しをする(敢えて仕事っぽい言葉を使う)
・予定通り進んでいたらちゃんと褒めてあげる
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【タイムマネジメントによって解決したこと】
・手をつけるのがイヤなことは、単にやること整理されていないだけであることが結構ある
・整理して細かくタスクを分解すると、大変そうに思えることでも実は案外楽
我が家も息子に似たようなことをしていました。家に帰ってからの「時間割」と「工程表」をエクセルで手作りしていたんです。学校のある通常版や夏休みなどの長期休み版など、数種類のバージョンを作っていました。
特に、息子が帰宅してからの時間帯は私のレッスン時間なので、関わることは出来ませんでしたから、彼は冷蔵庫に貼ってある「おうちの時間割」を見ながら一人で行動していました。
ここでのコツは、最初に「これが当たり前」だと思わせること。「学校の時間割がやれるんだから、家でも同じだよ」と言うと、「そっかぁ~!」とうちの子は何も考えずに嬉々として受け入れていました(単純?w)
「おうちの時間割」と「工程表」をダウンロードできるようにしてみましたので、よろしければご活用ください。時間割はエクセルにしていますので、それぞれのご家庭の環境に合わせてカスタマイズしてみてくださいね。
うちの教室生だけでなく、どなたでもダウンロードできますよ(^^)/