『あいうべ体操』というのをご存じでしょうか。
福岡市にあるみらいクリニックという歯科医院の医師、今井一彰先生が考案した口腔周りの体操。
大きく口を開いて、「あ」「い」「う」「べー!」と言うだけの、簡単で楽しいお口の体操です。
この体操をすると、口呼吸から鼻呼吸となり、回りまわって、アレルギーや免疫疾患、炎症性疾患などへの改善が期待できるらしいのです。
▼あいうべ体操について(みらいクリニックのWebサイト内より)
http://mirai-iryou.com/mc_aiube.html
私は「これはレッスンに使える!」と直感しました。
レッスンの中で、読譜の練習や音名暗唱をしていると、呼吸が長く続かず、フレージングが悪い子が時々見受けられるのです。そうした子は、口呼吸をしていることが多いということに気づいていました。
口呼吸の弊害は、じつは歌うことだけではありません。
口呼吸をしていると呼吸が浅くなりがちで、酸素消費や血流が整わないので、だるくなったり集中力の低下を招きます。こうした子は姿勢も悪く、椅子の座り方も身体に芯がないので安定せず、腕や肩に無理な緊張が残って、とどのつまりは演奏に悪影響が出てしまうのです。また集中力が続かないので、いつも手がごそごそ動いていたり、キョロキョロしていて視界が定まらなかったり…話を聞いていないという様子もあって、非常に気になっていました。(今はこうした子が全国的に激増しています。)
▼あいうべ体操のことを調べているうちに、もっと様々な好影響がありそうだと期待しいるのがコチラ
あいうべ体操をしていると、口腔周辺の血流がよくなり、脳のマッサージにもなっているようです。
思った通り! これは集中力をUPさせる体操にもなりそうです。集中力を要するピアノにはぴったり。
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というわけで、気になる子に積極的にあいうべ体操をしてもらって、半年が経ちました。
その結果…
つっかえつっかえだった楽譜の音読がスラスラと読めるようになってきて、声量も出てきています。ボ~っとしていた子がシャン!となってきました。姿勢が改善された子は、打鍵の音にもハリが出てきています!すごいです、コレ 即効性があります!!
期待度が大きくて客観的ではないかも知れないので、まだ要観察…だとは思うのですが、子ども自身も「あ!なんか出来てる、私!」と嬉しそう。幼稚園のチビちゃん達は、効能はさておき、とにかく「べー!」のところが面白いらしく、キャッキャと大笑いしながらやってくれています。なので、その楽しい雰囲気中でスムーズにレッスンへ移行できるので大助かり♪ この体操は変な副作用を心配しなくていいし、タダなのもいいですよね(笑)家でも車の中でもどこででも出来ますので、ぜひご家庭でも試してみてください。
これはピアノに限らず、落ち着きのない子ども問題で頭を悩ませている学校でも大いに活用されて欲しいなぁ…とひそかに期待しているピアノ教師なのでした。