『音価』というものをご存じでしょうか。
音価(おんか)とは、音楽において、ある音(または休止)に与えられた楽譜上の時間の長さをいう。 例えば、楽譜に2分音符が示されているならば、その音符の音の長さ、つまり2拍分が、その音符の音価といえる。 音価はその音符または休符が支配する時間を示すものであるから、その符の開始点から次の符の開始点までがその符の音価である。(Wikipediaより)
音価がわからなければ、リズムや拍子がわからず、適当になってしまいます。お手本やYoutube、CDなどの演奏を先に聴いて、耳で覚えてから弾いている子は、この音価が曖昧なまま成長している子が多いです。
こうした子は、新しい曲の譜読みが課題にされるたびに苦しんでいる様子が見受られます。練習ギライになる原因No.1といっても過言ではありません。曲の難易度が上がるにつれ、譜面が読めないのでこの苦しみがひどくなり、ついには辞めてしまう…なんて悲劇も。
このため、初心者レベルの頃から、音価を意識したリーディング(譜読み)を指導しています。
▼そうした成果は、幼児や低学年でも以下のようなノートで確認することができます。
Kちゃんは、習い始めの頃はまだ音価がわからなかったので、書き取りをしてもすべての音符を等間隔で書いていました。おそらく当時のKちゃんの頭の中は、音符はただの記号の羅列でしかなかったのでしょう。弾いていても、自分が弾けるところは速く弾き、難しいところはテンポが落ちて…といった演奏で、つっかえ、つっかえ、リズムも拍子もテンポも滅茶苦茶でした…。自分が「音楽に合わせる」という客観的な行動ができていなかったんですね。
自分が中心で日々世界が回っている小さい子には、これはごく自然なことでもあります。ですので、小さいうちは気にしなくても大丈夫です。(直ります)これが、小学生…とくに高学年になっても出来ていない人は深刻です。(うちの教室は最近、深刻になっちゃった子の駆け込み寺のようになっています^^;)
音価を理解し、リズムと拍子感がだんだん身についてきたKちゃん。今では、ノートにリズムを書きださせてみても、このようにそれぞれの音符を音価に合わせて相対的にノート上に配置できるようになりました。もちろん、演奏もテンポの揺れが落ち着いてきています。
またこれは不思議なことなのですが、このようなことが落ち着いてくると、書き方もよくなる子が多いのです。Kちゃん、ちゃんと左手を添えてノートを押さえながら、エンピツを握る右手もしっかりとしているので、ハッキリ大きく濃い字で書いており、姿勢もよくなっています。硬筆は習っていないそうです。子ども達の成長を見ると嬉しくなりますネ^^
細かいことをいちいち気にせず、大らかで元気がいい子も大好きですが、所作が美しくてお行儀のいい女の子にだって いつでもなれるよ♪っていうの、ステキだと思います。
もちろん、ご家庭で教わってきちんと身についてから教室へ来ている子もいますヨ(^_-)b☆